私たちにとってとても身近な素材である木(木材)。木(木材)は時には人々の癒しになり、時には優れた材料として様々なモノが創られるなど、人間の生活にはなくてはならない素材です。太古の時代から活用されている木(木材)が、現代の最先端技術によってどのように活用されているかをご紹介します。
人工衛星
国立大学法人京都大学と住友林業株式会社による「宇宙木材プロジェクト」で開発された木造人工衛星「LignoSat」。ホオノキ(モクレン科)でつくられたこの木造人工衛星は、1辺が100mm角の超小型衛星。2024年に国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出される予定です。
放出後は木造人工衛星から送信されるデータ解析を通じ、木の可能性を追求していくそうです。
透明木材
世界で研究開発が進められている「透明な木材」。
木材を透明化することにより、建築の意匠性や性能値、技術は大きく進化することになります。
①木材の優れた断熱性を活かした、窓ガラスに代わる省エネ材。
窓ガラスは建物の熱損失の大きな要因となることから、透明な木材は建物のエネルギー効率を高く保つことが期待できるため、高い断熱性を保ちながら家全体を透明にすることも可能です。
②高い耐荷重性を有する透明な構造材料の開発。
コンクリートや金属などの構造部材は、不透明であるために建築物の意匠や構造に制約をもたらします。ガラスや透明なプラスチックは採光性の面材として使用されますが、力学強度が低いため構造材料としては使用が困難な材料特性を持っています。木材の透明化は、木材のもつ強度により構造材として活用ができるとともに、建築物の意匠性を飛躍的に高める事ができる新たな建築材料として期待が集まっています。
スーパーカー
2人乗りのスーパーカー「Splinter」。内装のみならずボディやシャシーに至るまで、車両全体のおよそ90%に木材が使われています。バーチやメープル、ウォルナット、チェリー材など様々な木材が使用され、それらが非常に美しい模様を織りなしています。理論上は時速200マイル(300km)での走行が可能だそうですが、現在の最高速度は時速30マイル(約48km)です。現時点ではこの木製スーパーカーは快適性や実用性には乏しいようですが、私たちに木材の持つ可能性やその先にあるワクワクを与えてくれます。
いかがでしたか。
木(木材)にはまだまだ可能性がありますね。ではまた。
KADeL 西尾真一
関西 大阪 注文住宅 建築設計