前回は切離し解体時のリスクをお話しさせていただきました。
今回は『②境界の設定』と『③周辺環境による影響』についてお話しさせていただきます。
②について、現在立っている長屋は隣地と柱と壁を共有しているので境界は柱の中心で分かれております。柱を半分切り落とすということをすると隣地が倒壊してしまうので、切り離し時は柱を残して壁を新設する必要があります。これにより柱半分と壁の厚み分、敷地内に越境してきます。
越境がある土地では住宅ローンが組めなくなるといった銀行も多いです。これらを解決のため、境界の明示を行う際に「覚書」をお忘れなく作成してください。

③について、長屋の場合は隣地との距離が極端に近いことが多いです。そのため粉塵・騒音の問題以外にも雨天時の廃材流出対策なども注意が必要です。その中でも、「下水配管」は要注意です。
長屋の場合は全邸を一本の下水管でつないでいる可能性があります。この管を撤去する必要があるのですが、配管を通って虫が隣地へ侵入するといったトラブルがあります。
解体業者によっては対策をせずに撤去工事をしてしまう会社もあるようなので、しっかりと工事内容の確認と隣地の方との情報共有を行うようにしましょう。

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富国ハウジング心斎橋オフィス 営業部 中村