パブリックな道路からプライベートな住宅の玄関へとつづく “アプローチ“。
ただ玄関ドアへ歩くだけのスペースではつまらないので、ちょっと趣のある、どこか期待させられ、なぜかほっとする、そんなひと工夫されたアプローチをお望みではないでしょうか?
現在公開中のコンセプトハウス「土壁の家」は、私の「こうであってほしい」を設計図に散りばめた住宅作品です。空間構成からディテール、ライティング、外構、家具までの意匠全てを統一した世界観で表現しています。
玄関ドアへとつづくアプローチは、「セメント板」「モルタル」「石」「木」などの素朴な素材ばかりを使っています。でもその演出は他にはない独特なもので、枠や継ぎ目などのノイズを取り払ったディテールが、設計意図を十分に表現してくれています。
ガラスFIXが壁とドアの縁を切り、どこまでも長く続く壁を、その素材的魅力と共に迫力ある演出にしています。
床や天井も、ガラスの先まで壁同様に続いていきます。粋で成熟した建築、という印象になっていれば嬉しいです。
次に、ほぼたったひとつの素材で構成しているモノ・アプローチです。緑という自然がとても映えていますね。
造形を工夫した面白味があります。例えば斜めに切った外壁や基礎、少し被さりながら浮かべたような踏み板の階段は、そのシンプルさの中に施工上の工夫があり、まるで水上を進む鳥のようだな、と思えます。
他にもウッドデッキのアプローチ(瓦の家)や、石畳のアプローチ(凛椛classic)もあります。
アプローチの先の抜け感と、アイストップを作っているところなど、同一設計者だとわかるところですね。
さて皆さんの将来の家のアプローチにどんな個性が生まれるのか、楽しみですね。
KADeL akiyama
関西 大阪 注文住宅 建築設計