<設計者コメント>
都会でありながらゆったりとした区画割の住宅街に立地しています。
施主様ご夫妻にとっての「終の棲家」であり、これまで頑張ってきたご自分達への「ご褒美」としての住宅です。
施主様とのヒアリングは「かっこいい外観、寛げる空間で、建てて良かった」と実感できる、そんな素晴らしい建築にしたいとの熱意から始まりました。
もともと既存住宅が古い石積み擁壁の上に建っており、擁壁ごと解体して完全更地にする案もありましたが、この古い石積み擁壁は今再現するとなると難しく、意匠的にも味わいがあり残すことにしました。同時にコストカットもできて一石二鳥です。
南西角地。「南面に連続する大開口をとって大きな軒か庇が張り出す家」という日本で古くから培われてきた手法を用いた設計にしようと思いました。それは季節で変化する太陽高度をうまく利用することで、夏涼しく冬暖かく過ごすための工夫。環境と共生し一年を通して明るく快適な家をつくりつつ、ファサードを整える作業を行いました。
平屋住宅ではなかなか無いような美しくて凛とした佇まいに完成したのはやはり、信頼を寄せて下さり全てを任せてくださった施主様の寛大さにより実現できたのだと感謝してやみません。