皆さんこんにちは建築設計事務所 KADeL黒瀬でございます
今回は 「玄関」のお話しを私なりにしたいと思います
玄妙な道に入る関門 略して玄関
日本では特に 玄関に独特の文化的意味合いをもたせています
結界としての役割があり 内と外 公と私の境界線で ある種の「結界」のような意味合いを持つことがあります
室内なのに 床を張らない 土間やタタキで靴を脱ぐという行為も 外部の汚れやケガレを持ち込まないという意識の表れとも言えます
そんな 玄関に今回はフォーカスしていきたいと思います
写真を見ながら解説していきたいと思います
1枚目
こちら作品は「土壁の家」 /大阪府
玄関扉を開けると 坪庭が現れます お客様を迎え入れる おもてなしの精神と 内であるとともに外のような空間が 丁度いい場面転換になり 家の奥へと導きます
2枚目の作品は「とおり庭の家」/奈良県
外部板張りの上を進み 正面に見える縦格子を抜けると 奥の庭へつながっています 手前左に玄関があり 期待感が膨らむように設計しています
玄関の中に通されると また 庭が迎えてくれます
3枚目の作品は「眺望の家」 /奈良県
玄関扉を開けて中に入ると 土間が奥まで続いて 手前より奥が少し明るくなるように設計しています
距離を出すことによって 開放感と玄関の懐の深さを演出しています 障子と階段が上品なアクセントになっていて 個人的にも 好感がもてます
4枚目の作品は「矩形喇叭の家」/大阪府
喇叭の形状に穿った 奥に玄関があり 自然と導かれるように設計しています
禅の精神要素である 簡素で無駄がない 入り口にしています 玄妙な道に入る関門に相応しい 期待感が膨らむ喇叭口になっています
ここまでの作品には共通点があります
道路面から玄関扉をあえて見せない奥ゆかしさ 直感的に理解できる入り口に導かれると 中間領域の場があり そこに丁度よく扉が存在し 開けて中に入ると パッと場面転換して おもてなしの精神と設えが用意されています
玄関は家の顔とも 良い運気を入れる入り口とも言われます KADeLでは そんな精神性まで設計に反映しています
最近は あまり玄関への演出やおもてなしの精神が薄くなったようでとても寂しく思います 設計段階でも畳数や部屋数ばかり意識がいって こういう空間や目のご馳走を忘れてしまっているように思います 残念です
5枚目の作品は「大阪の平屋」 / 大阪府
愛車を眺めながら 導かれると玄関扉か見える
中に通されると 迫力の壁の設えが 境界の内側に入ったことを認識させられる 素敵な平屋の作品になりました
いろいろ実例があって もっと紹介したいのですが そろそろ最後にしたいと思います
6枚目の作品は「美術館のような家」
玄関扉を開けて中に入ると 外に出た様な錯覚
内と外が曖昧になる様に 空気感まで 設計し
特別な場所にしています
今回は玄関をテーマにお話しました
いかがだったでしょうか?
お家づくりの参考になりましたら幸いです
お付き合いいただきありがとうございました
次回はいろいろな「キッチン」をテーマにお話しします
建築ってほんとに良いものですね
それでは皆様 次回ブログでお会いしましょう
KADeL 黒瀬信幸(副社長/建築家)
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