皆さんこんにちは建築設計事務所 KADeL黒瀬でございます
今回は 「心休まる」住宅 をお話します
個人的には住宅を設計する上で最も大切な要素の一つだと思っています
家が世界一寛げて飽きない場所
そんな 精神が安定してストレスがなくなり ぼーっと 寛げる空間
「心休まる」家 とは
はたしてどんな家なのでしょうか
私も20年以上 このテーマを研究しています
皆さんもこんな経験 ございませんか
お店で食事をしていて 「この店 なんか凄く落ち着くなぁ また行きたいな」って いつのまにかお気に入りになってるお店
また その逆で 「この店 全然落ち着かない もう二度と行きたくない」とか 人は感覚でそう感じています ではその要素とはなんでしょうか
住宅にも 落ち着く家と落ち着かない家があります
今回は 私なりの結論を少しずつお話ししていきたいと思います
心休まる 要素とは
①森林セラピー
緑が近くにある
植物由来の刺激が精神的リラックス状態をもたらすことにより 免疫機能が向上し森林に約15分間居ると副交感神経活動は55%活性化し 交換神経活動は7%鎮静化 またストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの濃度が12.4%低下することがわかっています キャンプが趣味の方には 「そうそう」と言ってもらえそうです
そのため 住宅と庭は切っても切り離せないものです
私個人も庭を所有しており 居間からの眺めに毎日 癒されております 季節によって野鳥がみかんを食べに来たり 野良猫が庭を横切ったり 季節ごとの様々な花を楽しんだり しております
ほんとに見てて飽きのこないものです
LDKと庭をうまく接続して森林セラピー効果を生かすことにより ストレスが軽減しリラックス効果につながり 心地よい空間となります
②照明照度 照明計画
昼は自然光 夜は温かみのある照明で健康的な光環境を作ります
おすすめは調光式コントローラーやシーンコントローラーを用いて昼と夜の光をシーンに合わせて調節できるようにした照明計画で生体リズムに合わせたリラックスできる光空間作りが必要だと思っています
また 間接的な照明計画もおすすめします
就寝前2時間を50ルクス以下の 仄暗い光環境で過ごすと大変リラックスして早寝になるそうです 私自身も 夕食後は50ルクス以下の仄暗い リビングでくつろいでおります たちまち睡魔が襲ってきて早寝の習慣がつきました 早く寝るという事は朝も早く起きれるのでとても健康的に過ごしています
③自然通風
積極的快適性と消極的快適性には大きな差があります
消極的快適性とは 窓を開けずに生活する外部と内部を周辺環境から遮断した住環境を指します
積極的快適性とは 外から流れ込む自然通風を利用した 「気持ち良さの評価」を意識した住環境づくりです 簡単に説明すると以上の通りです
弊社ではパッシブデザインを積極的に取り入れ 空気の温度差を利用した重力換気や偏西風の影響を受けた西風を利用した風力換気を設計段階で きっちりと計画していき 自然通風を積極的に取り入れ 生活する上での 「気持ちよさの評価」を上げていき快適な住環境を作ることで気持ちの良い空間になります
余談ですが窓を開けると 様々な自然の音(鳥のさえずり 虫の音 雨音など)が室内まで届きとても気持ちの良いものです
④ゆらぎ
ゆらぎ効果を取り入れて疲労を解消する
つまり疲労を軽減するためには副交感神経優位の時間を増やして自律神経のバランスを整えることが最も効果的と言われています
もともと人間は自然環境で暮らしていた生き物のため自然の揺らぎに囲まれると副交感神経優位になりリラックスする性質があるそうです
自然環境は常に一定ではなく ゆらいでいます KADeLの環境共生住宅は風通しも良く光や庭を住宅にうまくとり入れ ゆらぎが生まれやすいリラックスしやすい住宅環境にしています
自律神経に優しい家となるわけですね
⑤パーソナルスペース
家族の距離は付かず離れず3メートル位がちょうどいい
平面計画を練るときに家族とのちょうど良い距離感を考えながら設計していきます
敷地や規模に大きく左右されるところもありますが なるべくちょうど良い距離感を確保できるように考えています
個人的には人が近くにいるとなんとなく落ち着かない それは自分のパーソナルスペースに人が侵入しているからである 夫婦や親子関係でも個人的にはこのパーソナルスペースを犯されると少しストレスになります パーソナルスペースを活用して家族関係が円満になる間取りを目指すことでストレスのない快適な空間を実現できます
⑥木部の割合
リラックスできる空間とは
ある研究によると木材率30%の部屋に居る時は脈拍数が下がり45%の時は上がるとの結果が得られています
簡単に言うと人は木材率30%だとリラックスし45%だとワクワクした状態になるのです
しかし木材率を30%から45%にしたとしても無垢のフローリングでなければ効果が出ないようです
なので床に無垢材のフローリングを採用するだけで家のリラックス効果を高められることになります
実際に木材と塗装した木材を素肌で触れてみて副交感神経活動活性化を調べたところ無塗装の無垢に触れているとリラックスし 塗装(ガラス塗装やウレタン塗装など)された床材に触れていると 変化がないと言うデータがあります ちなみにオイル塗装はリラックス効果があるというデータがあり 家づくりをするときはなるべく無垢材またはオイル塗装ですると良いとされています
作り付けの家具なども素地仕上げやオイル塗装をすることでよりリラックス効果が期待できます
あと引っ越し後に持ち込まれる家具などもできるだけ無塗装素地仕上げのものを選ぶと良いです
人は温かいものに安心感を覚えるので無塗装やオイル塗装など熱伝導率が低い温かみのある材料の方が落ち着くのかもしれません 人間って不思議です
⑦騒音
騒音には2種類あり外部騒音と内部騒音に分けられる 外部騒音というのは車や電車 近隣の生活音などである 内部騒音は家の中で発生する騒音である
騒音は健康を害する恐れがあり 深刻なストレス源の1つになっています ストレスは万病のものと言われており心臓や血圧の異常胃腸障害 内分泌系のバランス崩壊などを引き起こしかねません また集中して仕事や勉強をしたいときに思考が中断する 更にリビングでリラックスできない 中でも深刻なのが睡眠を妨害する騒音 住宅内の騒音は60デシベル以下に抑えると良いという研究結果もあるそうです 設計段階でこのようなことに配慮した計画が必要になってきます とても重要となります
あと騒音対策と少し似ているのがプライバシー性である 外に閉じて内に開く日本建築や町屋などに見られるプライバシー性の非常に高い建築手法をKADeLでは積極的に取り入れています
追加でゆっくりとくつろげる生活動線と活動的な家事動線を交差させず 住み分けがきっちりできている動線計画をきっちりすることで さらにくつろげる空間となるわけです
⑧ウォーカブル
最近ではウォーカブルな建築が注目されています
要はどれだけ歩かせるかと言うことになります わかりやすく言うと家の間取りの中に回遊動線を入れたり 歩きやすい直線的な動線レイアウトにしたり 空間シークエンスなどを意識した 歩くことで景色が変わるような設計にしたり といろいろあります
現代人は運動不足 日ごろから無意識に歩く計画を練り込んでおけば健康長寿になるということです 私自身実験住宅に住んでおり ほぼ1階で生活が完結できるようなレイアウトにしており 中を自由にストレスなく歩けるような動線計画にもなっております
万歩計を購入し家族に装着させ 1日にどれぐらいの量を家の中で歩くのか休みの日に実験したことがあります その日の活動量や個人の活動量にもよりますが平均すると家の中と庭で3500歩から多い時で5000歩近く歩いたと言うデータになりました 敷地の中だけでも意外と歩くものです
このデータは家の規模によっても左右されますので 狭小地などでは少なくなると思います
自宅は駅近が良いかもしれませんが しかし100歳になっても元気でいたいと思うならもっと駅から離れている家の方が価値があるのかもしれません
今回のテーマである「心休まる」と言うところからは少しずれたかもしれませんが参考にしていただけると幸いです
⑨ペットを買う
これは住宅設計とは関係ないですが 1つの要素として非常に重要と思っております
最近では住宅内でペットを買われる方も非常に増えており動物の視線がもたらす効果や声かけやスキンシップでオキシトシンと言う 愛情ホルモン濃度が上昇して幸せな気 分になると言うのは有名な話であり 我が家でも保護猫をお世話しているが とんでもなく幸せな気持ちになり効果絶大であると実感しております
ペットと見つめ合うだけでストレスが減るような気がします 一緒にいるだけでとても癒されてくつろげます
⑩植物と触れる
ペットを飼えない場合でも植物と触れることで様々なメリットがあります 見る 食べる 触る 効く 嗅ぐといった感覚が刺激され様々な側面から健康効果を得られるようになります
もともと日本人は農耕民族 植物を育てて収穫すると言う古来のDNAがストレスの発散や精神の安定 癒し効果をもたらしてくれるかもしれません
海の近くに住むより山に住んだ方が長生きすると言われるのはこのようなことからかもしれません
今回は切りの良い10項目でお話を進めて参りましたが まだまだあります
平面計画図や畳数だけでは計り知れない様々な要素が重なって くつろげる空間が実現します お客様自身で間取りを引いたりする事はとても楽しいことでワクワクします せっかくですからこの10項目を意識しながら図面を書くとより家族がくつろげる素晴らしい住宅になると思っております
皆様の住宅作りのヒントになれば幸いです
個人的に思う「心休まる」家の大切な要素とは何かをまとめてみました
KADeLではこういった事まで設計に練り込み住宅を完成させていきます
性能も大事ですが性能の先の豊かさ「心を休まる」家づくりを実践しております
次回のブログは
最小限住宅で「孤独に幸せに暮らす」をご紹介 致します
建築ってほんとに良いものですね
それでは皆様 次回ブログでお会いしましょう
KADeL 黒瀬信幸
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