建築設計事務所KADeL

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【住宅の豆知識】私が住宅に採用しなかったものトップ5
公開日
2024-10-8 09:00

皆さんこんにちは建築設計事務所 KADeL黒瀬でございます

今回は住宅業界29年の私が個人的に我が家に採用しなかったもの

合わせて5点を発表していきたいと思います

 

住宅購入の時にいろいろ迷います

何が必要で何が必要でないか

案外深く考えてみると必要でないものもたくさんございます

 

それでは早速ご紹介致します

 

 

1 ベランダ

私が実際採用しなかったのは2階のベランダです

理由は洗濯機の機能向上 洗濯用洗剤の除菌力向上 部屋干しの一般化 乾燥機の機能向上など 外で干す機会がとても減ったように思います

 

それと掃除の煩わしさ ベランダの掃除は結構大変なものです 埃や髪の毛 糸くずや落ち葉など 

それを定期的に掃除するのは大変です

あと水栓など設置していれば 水道代もかかってしまいます

最近では布団乾燥機も安くお買い求めできるようになりベランダで布団を干す人も少なくなりました

それにベランダに衣類などをたくさん干していると建物の外観(ファサード)にも大変影響与えてしまいます その地域の景観も損ねてしまうような気がしております

ベランダを設置すると設置コストが非常に高くつきます ハウスメーカーなどでは坪単価の約半分程度の費用がかかります かなりの出費のため慎重に検討したほうが良いかと思います

このような理由で個人的にはバルコニーを我が家では採用しませんでした

 

2  2階のトイレ

個人的にはこれはもう絶対に採用しまいと考えておりました

戸建て住宅を建てる時 トイレが2か所の要望を結構多くの方から寄せられます

 

しかし よく考えてみてください

私はよくカフェに行くのですが席を数えてみると50席位ございます

そのキャパにトイレは2カ所

それでも誰もパニックを起こすことなく必要十分に機能を満たしているように思います

 

家は最近では2名から4名で住むことが多くなっています 昔は5人家族や2世帯で多人数で住むことが多かったのですが 最近のリクルートの調査ですと2〜4名が主流になりつつあります その2〜4名のためにトイレが2カ所というのは少し多すぎるような気がしてなりません

1階の階段付近に1カ所 設けるだけで充分に機能を満たします 個人的な意見なんですが とにかく掃除が2カ所だと面倒で大変です 1カ所だと楽に済みます 掃除用具も1カ所分で済みますし コストの軽減につながり経済的です

 

 

それに最近のトイレはウォシュレットや自動開閉など様々な便利機能満載のトイレが増えております 機械モノなので当然寿命があります 私は約10数年位で交換だと思っております 実際私が生活する上で10数年位でウォシュレットが壊れトイレを取り替えた経験があります 家の中にトイレが2カ所ですと10数年後に交換コストが2倍かかってしまいます 最近のトイレは便利機能が増えていて非常に高価なものがたくさんあります 住み始めてからのランニングコストという意味ではが1カ所のトイレが経済的なのかもしれません

そしてトイレを1カ所増やすも坪単価や設置コスト 配管コスト 照明コスト 照明配線コスト ドアや窓 手洗いなどなど 設置するだけでも大変なコストがかかってしまいます これをやめるだけで限られた敷地の中に収納やお部屋を広げることも可能です また浮いたコストで家具など 買うこともできます あれもこれも手を出してしまうとお金がいくらあっても足りません 

2階のトイレは慎重に検討されるのがいいかもしれません

 

余談ですが トイレが1カ所だと子供部屋の子供たちが必ず1階に降りてくるので引きこもり防止対策や家族とのコミュニケーションが増えることも

 

 

3 カーポート

最近は車の塗装技術向上やコーティング剤、 ガラスコーティングなど 様々な車の汚れや塗装を守る技術が向上しております そのため車を野晒しで駐車しても昔ほど塗装の劣化が少ないように思います コーティング技術向上で非常に車が汚れにくくなっています

カーポートを設置すると 確かに車は濡れませんが その代わりカーポートが 濡れてしまいます 車は洗車機などで容易に洗車出来ますがカーポートは 洗うのが非常に困難です

そしてカーポートを設置するイニシャルコスト その後にかかる10数年後〜20年後の屋根交換のランニングコストやカーポートの樋の清掃など 管理にとても手間を取ってしまいます それとカーポートは数年で柱やポリカーボネートの部分に汚れが目立つようになります ポリカーボネートの屋根部分は透明ですのでそこに鳥のフンや落ち葉など乗っかってしまえば取る事は非常に困難で見た目上 汚い印象になってしまいます せっかく外観(ファサード)をきれいにしていても 少し違和感があります

 

 

最近では少しお値段を出せば非常にデザイン性の高いカーポートも販売されています どうしても雨に濡れるのが嫌だ カーポートを取り付けたい という方はいいかもしれません ですが私個人的には掃除の手間が大変なので極力管理コストのかかるようなものはつけない主義です

イニシャルコストも非常に高くつきます

 

4 様々な住宅用機械類

私の住んでる家は 最小限の機械しかありません

大まかに言うとお湯を沸かす給湯器(標準)と食器洗い洗浄乾燥機 (標準)クーラー(オプション)のみです

 

それ以外は一切ありません

例えば一般的によく取り付けられるのは

床暖房 蓄電池 ソーラー発電機 浴室暖房乾燥機など上げていくとキリがありません

本当に必要でしょうか?

KADeLの住宅は全て環境共生住宅です 自然の摂理をエネルギーに変えるパッシブデザインで設計されています

しっかりとした省エネ意識を持って自然の摂理をうまく利用しながら生活していけばそのようなものは必要ないように思います

様々な機械類を導入すると当然 機械モノなので導入時のイニシャルコストは大変高くつきますし 管理コストやランニングコスト 将来壊れたときの交換費用 等など いろいろ出費がかさみます 太陽光発電等は電気を売って経済的に暮らせるようなイメージがありますが省エネ意識がないと家族全員が電気を使い放題の習慣になってしまい本末転倒になるケースもございます

 

このような形で必要のないものは一切導入しない

本当に必要なものだけにフォーカスを当てて最小限の設備で暮らすのが個人的には1番経済的で理にかなってると思います

 

※ ちなみに 自宅は 冬は リビングの対流型ストーブ一機で家一棟分(1,2階分)の暖房をまかなっています

 

5 最後は 外構

最後は外構工事ですが 採用しなかったというよりも既存の塀や庭をいかに残して 浮いたお金を縁側やファサードの一部分に予算を集中させるということです 予算は当然限りがありますし あれもこれも新しくしていくといくらお金があっても足りません

最近では資材高騰などで住宅自体の価格が上がっております 当然外構費も上がっており 工夫しないととんでもない金額になってしまいます せっかくの新築を立てるのだからどれもこれも新しくて新品にしたいと言うお気持ちは大変わかります がしかし お金は大切です よく考えて使わなければすぐになくなってしまいます

後悔しないためにも 慎重に判断しなければなりません

 

いかがだったでしょうか?

 

最近の住宅は性能が非常に上がっており いろいろつけなくても充分生活することが可能です

私は今年で53歳になります 住宅作りはとても楽しく 完成した家に住むのはこの上なく幸せです 個人的に思うのは 解放的で外部に開かれており自然と接続して四季を感じられる豊かな生活を送れる プランニングが重要と考えます

 

人間はいずれ年を取り老後を迎えます

長く進み続けていく上でそういった精神的な安らぎ を満喫できるようなプランニングが健康長寿の秘訣だと思います 私はいつも リビングから庭を眺めながら生活しております 静の庭の中に動があり四季感じ 自然を感じる この上なく精神的に豊かで幸せを感じております

 

 

(元々40年前からの 既存住宅のお庭を再利用しています)

 

最近では住宅性能の向上により数値ばかりに気をとられて そこで住宅の善悪を判断する方が増えてきている様な気がしております 数値では精神的な幸せは計れないと思います

これからも 性能だけではない 精神的な豊かさのある住宅設計を進めていきたいと思います

 

長くなりましたので 今回は以上になります

これはあくまで私個人の見解で書いております

皆様の住宅作りの参考になりましたら幸いです

 

次回は「住宅作りで後悔したもの」をご紹介 致します

 

建築ってほんとに良いものですね

それでは皆様 次回ブログでお会いしましょう

 

KADeL 黒瀬信幸

関西 大阪 注文住宅 建築 設計 デザイン 建築家