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【住宅の豆知識】内でもない外でもない 中間領域 日本建築の空間操作術 「縁側」
公開日
2024-8-13 09:00

皆さんこんにちは建築設計事務所 KADeL黒瀬でございます

 

今回は日本建築の空間操作術 「縁側」ご紹介致します

 

 

 

縁側とは内と庭の間(あいだ)

内でもない外でもない 中間領域

 

間(あいだ) の魅力について 少し書きたいと思います

 

光と影にも

暑いと寒いにも

昼と夜にも

春と夏にも

人と人にも

 

全てのものには間(あいだ)が存在します

 

指と指をくっつけても 原子同士が反発し合い 実は目に見えない距離で離れて間(あいだ)が出来ているそうです

建築にも間(あいだ)がたくさん存在します

その 一つが内でもない外でもない 中間領域「縁側」になります

この居間と庭を接続する日本建築ならではの空間的建築感が今の我々の世代に懐かしさと新しさを感じさせられます

 

 

日本建築の中にはスクリーン(暖簾 衝立)や中間領域(縁側 庇 鞘の間) フィルター(格子 障子 欄間 御簾)それらはプライバシーへの配慮や太陽光をカットし 通風を可能にします 環境と接続する装置としてサスティナブルデザインとして今 注目を集めています

 

電気やガスのエネルギーを使わない環境に共生した設計手法

KADeLでも環境共生住宅の観点からパッシブデザインを積極的に取り入れています

 

 

以下の写真全てはKADeLの「瓦の家」です

 

 

畳→板の間→障子→廊下→窓→広縁(縁側)→庭→空と連続しながら境界線はグラデーションをきかせ一体となり外部と連続的に接続していきます

その上方には深い軒が存在し内部でもあっても外部でもない緩い境界が生まれます

 

 

(畳→板の間→障子→廊下→窓→広縁(縁側)→庭→空と連続)

 

 

広縁(縁側)の先には小さな自然が存在し 静と動が存在し 自然をそのまま受け入れる姿勢と自然への畏敬の念が表出する場所になっています

 

家族へ四季の恩恵と苦難をダイレクトに届けてくれる日本建築の建築装置

 

素敵だと思いませんか?

 

 

四季の「縁側」

 

春: 新緑と開花と蜜蜂

 

梅雨: 豪雨と雨音と梅雨の蝶

 

夏: 日差しと空の雲と蝉

 

秋: すず虫の音と月

 

冬: 雪と底冷えと野鳥

 

 

この様に 縁側があるだけで 室内に自然を大きく引き込むことで日常に四季の変化が生まれ五感のご馳走となり見ていて飽きません

 

緑や自然を見ると健康長寿にもつながります

緑の近くで食事をすることで食欲促進や胃の働きが良くなるので消化が良くなったり 自律神経が整い生理的にリラックス効果が得られます

副交感神経を優位にさせて脈拍も減少すると言われています

 

 

 

 

庭があることで「ゆらぎ効果」も得ることで 脳疲労を減少させ 自律神経に優しい家は老化にも効果があると言われています

緑と触れ合える庭仕事もさまざまな側面から健康効果が得られると言います

 

ジムに行くよりも ストレス発散や精神の安定に繋がり 適度な運動にもなり健康長寿に効果があると言われています

個人的には ジムに行くとたくさんお知り合いが増えて人間関係に疲れたりします (笑)

 

KADeLの家は内と外(庭)を大開口の窓から大胆に接続する設計手法を心がけています

 

最近では性能数値に拘りすぎて 窓が少なく あったとしても小さな窓が多い気がします

 

住宅性能(断熱)がハイスペックでも住まう家族に省エネ意識がないと意味がありません

性能ももちろん大切ですが 住宅にはバランスと加減が大事だと思っています

 

最近はつまらない家が増えてきて個人的にはがっかりしています

 

これからもKADeLでは電気やガス、エネルギーに頼らない環境共生住宅(パッシブデザイン住宅)を作り続けていきたいと思います

 

私個人も 実験住宅に住まいながら年間を通して研究をしています それは人間らしい住まい方の研究 質素倹約を心がけ 自然と共生する昔の日本の住まい方を実践しています

(子供達にはキモがられますが…)

 

エアコンになるべく頼らず暮らせる 自然と一体になれる様な自然な住宅が理想です

 

私個人で20年間 聴竹居に始まり京都や奈良を中心に日本中の古建築を巡り そこに住まう方のお話を聞かせて頂きました

先人達の蓄積された知恵が沢山あり 驚きがあり感動しました KADeLの住宅にも沢山の先人たちの知恵のエッセンスが練り込まれています

 

気になった方は是非 弊社住宅に遊びに来て下さい  眼識のある あなたの目で体感してください

 

今回もいかがだったでしょうか?

皆様の住宅建築の参考になりましたら幸いです

 

※今日は下に番外編載せています

ご興味ある方は少し覗いてみてください

 

次回は   関守石 をご紹介 致します

 

建築ってほんとに良いものですね

それでは皆様 次回ブログでお会いしましょう

 

 

番外編

 

この前の休日に 滋賀県立美術館へ「滋賀の家展」を見てまいりました

その時の写真を数点載せておきます

 

 

 

伊礼智の最小限住宅(湖畔の方丈)

最小限過ぎるー!

個人的には好きです

僕だったら いろんな想像力に刺激が加わります 来て良かった!

1邸限定で最小限住宅を建築したい(心の声)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おしまい

 

KADeL 黒瀬信幸

関西 大阪 注文住宅 建築 設計 デザイン 建築家