LIXIL MEMBERS CONTEST 2017
新築部門 敢闘賞受賞
<設計者コメント>
和歌山県の山間に建つ平屋建ての住宅です。お施主様からは、普段見慣れた日常の風景も非日常に変えるような空間演出と仕掛けのある住まいにして欲しい、とご要望を頂きました。
施主様のお父様がされていた蜜柑畑があった敷地は起伏に富み、周辺には豊かな緑が広がっています。土地の持つ起伏や周辺環境を活かすべく、敷地の個性と建物との調和を図ることをあらゆる物事を決定していく設計条件としてご提案を進めていきました。
起伏に富んだ敷地や山間の稜線に呼応するファサードデザインは、周辺環境にとけこみつつ四季折々に変化する木々の色とも相性の良い濃紺色をベースにしています。
LDKには風景を切り取るピクチャーウインドウを配して、家の中に居ながらも大自然の迫力が感じられるようにしています。
設計着手前に施主様より、季節や時間の変化による光の入り方や強さの違い、風の向きや吹き方等この土地ならではの環境特性をリサーチさせていただき、それら自然の力を快適な住空間を実現するための要素として積極的に住宅内部に取り込むように計画しています。
地域特性を積極的に利用することによって、夏は真国川から吹くひんやりとした心地良い風が室内を通り抜けるためほぼエアコンを使わず、また暖かな陽射しを取り込む開口部計画と高気密高断熱仕様により、冬は蓄熱式床暖房のみで快適にお住まいいただいています。