WOODONE 2018 空間デザイン
施工例コンテスト
最優秀賞/伊東豊雄賞 受賞
今回の計画地は頻繁にバスが通る大通りに面しています。南側は駐車場、北側は空き家、西側の住宅からは見下ろされるという立地です。将来性も考慮した上で、プライバシーを守る必要があります。
この敷地には元々築40年の平屋と大切に育てられてきた大きな庭がありました。
「瓦の家」は既存の建物配置を変えず、大きな庭もそのまま残すようにすることで、近隣への日照環境や風の流れに影響が少ないよう配慮しました。そして、平屋のような低く構える外観とすることで地域の景観と調和する建築といたしました。
子供たちが独立した後、夫婦2人で1階だけで平屋のような生活を送ることができるように設計しています。
畳下収納や隣の納戸にふとんを収納することができるので、和室を夫婦の寝室として使用することができます。
また2階にバルコニーを設けるのではなく、1階に物干し場を設けることで、家事もすべて1階で行うことができます。
トイレは1Fに1つあるだけで2Fには設けていません。これは子供たちがトイレを使う度に1Fに下りることで、家族が顔を合わせるきっかけをつくる工夫です。
スイッチの高さはドアノブと同じ高さ
照明のスイッチの高さをドアの取っ手のの高さと揃えています。高さを揃えることで部屋を移動して扉を開閉した後で、スムーズに部屋の照明を操作することができます。さらに標準的なスイッチの高さよりも少し低いので、小さな子供でも操作のしやすいスイッチの高さです。
大きな庇
室内から庭に向かって伸びる大きな庇によって、夏の強い日差しを遮ることができるだけでなく、縁側とあわせて室内と庭をつなぎ、室内が外部に広がっていくように感じることができます。
大きな窓
庭に向けて設けた大きな窓によって、庭からの風や季節感を室内に取り込むことができるだけでなく、庭に向かって視界が広がることで、室内をより広く感じることができます。
大きな縁側
庭に面して大きな縁側を設けています。この縁側が中間領域として室内と庭をつなぐことで、より室内を広く感じることができます。
水廻りの集約
キッチン・洗面・風呂など水廻りを集約し、くつろぐ空間とは明快に分割しています。こうすることで、家事をする人とリビングでくつろぐ人が家の中でお互いに快適に過ごすことができます。
壁:すさ入り珪藻土
和室の周りの壁は全て自然な素材感の珪藻土仕上げとしています。珪藻土は周囲の空気の湿度が高いと湿気を吸収し、空気が湿度より低いと湿気を放出して快適な湿度を保つことができる優れた調湿効果を持つ素材です。
珪藻土仕上げとすることで夏はカラッと、冬は乾燥を防止して室内の湿度環境を常に快適に保つことができます。
「はなれ座敷」のような和室
和室は周りの部屋とは区切られた「はなれ」のような空間です。区切られた、といっても建具は全て障子とすることでやわらかく光を通し、周囲を囲む壁は欄間を設けることで風や音が抜けるようにしています。こうした工夫によって、周りの部屋との程よい距離感を保ちつつ、庭に対して大きく視界が広がることで庭の季節感を和室の中まで取り込むことができます。
畳下収納
和室の畳の下に大きな収納を設けています。見えない位置に収納を設けることで、空間を整然ときれいなまま使い続けることができます。
納戸
1階に大きな収納スペースを設けておくことで、将来的に子供が独立した後、2階に上がることなく、1階だけで生活を完結させることができます。
コンクリート壁面
建物の前に立つ大きなコンクリートの壁は前を通る大通りからの視線を遮り、内部のプライバシーを守ります。
階段上の天窓
階段上の天窓から自然光を取り込みます。
また、階段を通って上昇してくる1Fで発生した熱気をこの天窓から排出することができます。
家が完成したあとも、時間の経過とともに家族構成は様々に変化していきます。こうした家族の変化に柔軟に対応することができるように工夫しています。
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